メークロン鉄道市場見聞記

世界で一番スリリングな市場・メークロン鉄道市場

タイでプライベートガイドをしているタイ人ガイドのタオです。今日はサムットソンクラーム県にある「メークロン鉄道市場」のリポートです。写真にもあるように、なぜ市場の中に電車が突入してくるのか、それとも市場が電車を侵略しているのか、その謎を解き明かしに現地に行ってみました。

メークロン鉄道市場の場所

ここはタイ国鉄メークロン線の終着駅です。メークロン線はマハーチャイの近くの「バーンレム (บ้านแหลม)駅」から「終点のメークロン (แม่กลอง)」駅までの30キロあまりの短い路線です。始発のバーンレムから列車に乗ると終点のメークロン駅まで1時間位での到着になります。

終点のメークロン駅にはもともと普通の市場もあります。この市場はメークロン駅のすぐ近くにあり、線路にも面しています。

じつは「メークロン鉄道市場」という名前の市場はありません。本来の市場に収まりきらない商店が市場をはみ出し、線路脇ギリギリにまで店を広げるようになりました。このような様子はこの鉄道路線が開かれてまもなくからあったようです。タイ語では「ตลาดร่มหุบ (傘をたたむ市場)」と呼ばれています。その由来はのちほどご説明いたします。

それでは通称・鉄道市場に入っていってみましょうか。

スタートはメークロン駅から

こちらがメークロン駅

メークロン駅のすぐに踏切があり、そこから線路上を歩いて「鉄道市場」に入っていけます。正確には「線路上市場」ですね。

それでは鉄道市場に入りましょう

はい、中に入りました。後ろ側がさっきの踏切ですね。踏切から一歩中に入ったところから野菜や商品が線路脇ギリギリまで溢れているのです。

野菜や生鮮品が「線路の上」に乗っています。すごいですね!

線路ギリギリまで商品が並べられています。

線路の枕木と枕木のあいだには歩きやすいようにコンクリートタイルがはめられているんですね。

しかし、これだけ線路ピッタリに商品を陳列していて、さていざ列車が入ってきたときにはどうなるのでしょうか。

列車が入ってくる時間が来ます

電車が入ってくる時間ですが

  • 8:30
  • 11:10
  • 14:30
  • 17:40

の一日4回です。鉄道ですので時間どおりに入ってくるのですが、念のため列車が入ってくる前に付近にアナウンスが流れます。タイ語と英語、中国語、日本語でアナウンスが流れます。

アナウンスが流れてからしばらくすると、市場の人達はおもむろに商品をひっこめ、日よけをたたみます。これがメークロン鉄道市場の別名「ตลาดร่มหุบ (傘をたたむ市場)」と呼ばれるゆえんです。

いや本当に仕事が速い。速さの秘訣は「慣れ」もありますが、細かく見るといろんな工夫がされているんですね。

なんと、列車が入ってきた時に素早く商品台にもスライドできる「レール」が付けてあるんです。いや、あっぱれです。

メークロン市場に入ってくる迫力の機関車

それでは、市場のみなさんが商品を片付けて準備万端になったところで、メークロン鉄道市場に入ってくる列車の映像をごらんください!

すばらしいですね。 

踏切のところで商いをしているおばちゃん。余裕の表情です。目の前を通過する鉄の塊との距離を完全に見切っています。

そして、列車が通り過ぎたあとはまた平然と商いをつづけます。

メークロン鉄道市場を見終わって

メークロン鉄道市場で列車の通過する様子をお届けいたしました。

よそから訪れた我々と違って、市場の人達や市場を利用する常連客にとっては毎日繰り返される営み。でも市場の人達はわたしたち観光客を邪魔あつかいするそぶりも見せず、普通に働いているんですよね。取材をしながらもそんな市場のみなさんに対する尊敬の念をいだいていました。

タオさんのガイドでメークロン鉄道市場に行くと、メークロン駅周辺の案内もできます。美味しいカオマンガイ屋さん、おすすめのクワイティアオ屋さんメークロン川のほとりのカフェ、メークロン川渡し船の船着き場、などです。駅構内のフレッシュジュースのお店も暑いなかでは嬉しいです。

おすすめのツアー

タオさんの案内するプライベートツアーではメークロン鉄道市場と水上市場を組み合わせたものがあります。下記をご覧ください。

メークロン鉄道市場とダムヌンサドゥワック水上マーケット

列車で行く・メークロン鉄道市場と ダムヌンサドゥワック水上マーケット